11日目 帰国 リゾートから空港までDOOR TO DOOR + 狂犬病の恐怖

今日でまずい液薬を飲むのも最後。最後となるとまずいものですら名残惜しい。この味、きっと忘れない。

8時半出発なので、今朝は少し早めに朝食を用意してくれた。
もし、もっと出発が早ければ、弁当を持たせてくれたとか。中身はレストラン担当に言えば、リクエストできるらしい。
はじめは私も弁当の予定で、「バナナとりんご?いらない。ロティとマンゴスチンがほしい。」等と、海老蔵に話していた。
レストランからおりて、ヘルスセンターのロビーを通る時、昨日のツアーで一緒だった方がおられた。せっかく仲良くなれたのに、寂しい。

朝食の前にフロントに預けていた荷物を受け取り、車に乗る。
一人旅のイタリア人女性と一緒。物静かな人だ。
ロンドンからスリランカは6時間位だそう。初日の膨大な乗り継ぎ時間のこと等を話すと、驚いた。
バーベリンの朝食は、スープやジュース等、水分が多いので、やはり早々にトイレに行きたくなる。
「ごめん、トイレ行きたい。」ちなみにトイレはスリランカではウォッシュルーム。
快く、高速道路のサービスエリアによってもらい、イタリアの人と連れション。
サービスエリアには食堂やトイレがあり、そこまでは日本のシステムそのままだが、
トイレが有料であるのと、掃除のスタッフが常駐しているのがスリランカである。
再び出発してしばらくすると、数匹の牛が細い鉄橋の上を歩いている。
すごいところに牛がいる、と私達は笑った。
車窓はのどかな田園地帯。
出発から2時間程すると、コロンボの街の中に入った。
曜日や時間によっては大渋滞だそうだが、今日は大丈夫。

コロンボの街をぬけるとすぐ空港につき、私たちは運転手にチップを渡してそれぞれ別れた。
私は空港内のスーパーで、土産物を買い足し、チェックインカウンターで荷物をあずけ、航空券を引き換える。
セキュリティチェックや出国審査等を受けて、ゲート前まで行き、場所を確認。
まだ少し時間があるので、カフェでケーキを食べ、売店で、鼻炎や頭に良いゴツコラカプセル、ゴツコラティー、毎日バーベリンで飲んでいたイラムスティー、普通のブレンドティー等を買えるだけ買う。

搭乗時刻になり、出発。
隣はスリランカ人の若い夫婦。
旦那さんから声をかけられたが、お二人は普段神戸に住んでいて、これから日本に戻るとか。
しかも旦那さんが通っている学校が、私も普段よく行くエリアにあり、お互いびっくり。
日本の紅茶は、スリランカのと味がちがうので、日本では紅茶は飲まないのだとか。
たしかに、リプトンや大東のティーバックのやつは、スリランカのより酸味があるような気がする。
でもリプトンも、ムレスナも、スリランカに工場とショップがあるのだけれど。

お喋りしていたら、あっという間にクアラルンプールに到着。
ここからまた4、5時間空港で過ごして、関空行に乗り換える。
暇なので、ゲートを確認して、少しあたりをうろうろしたら、スタバでお茶をする。
バーベリンでもらった体質診断の文書を翻訳する。そこには食べてはいけない、やってはいけないこと。食べると良い物等がたくさん書かれている。
例えば、鼻炎にはシナモン、体重を減らすにはしょうが、肌にはミルク等々。
それらの分からない単語を一つ一つ調べて、もう使わないビザの紙の裏に書いていく。
そうすると結構時間がつぶれた。

ゲートがあいて、セキュリティチェックを受ける。
ペットボトルの水は没収された。
私の前の女性は、空港で買ったお酒の瓶を没収。
たまたま隣の席に座っていると、彼女が話しかけてきた。
空港で買ったものは、~本以内なら持ち込めると明記されているのに、話がちがう、言っても分かってもらえなかったと。
彼女は普段は日本人の旦那さんと日本に住む、華僑の元マレーシア人、今は結婚して日本国籍。
これは、マレー人からの華僑への差別、歴史上の根深い嫉妬なども絡んでいると言う。
どこも複雑だ。

マレーシア航空、後ろの方の席はガラガラで、隣に座っていたファミリーのお父さんは、勝手に席をうつって、5列を占領して寝ている。
私も隣が誰もいないので、上半身を横たえる。
機内は乾燥して喉が渇くし、今朝まで軽くぜーぜーしていた喉が、いよいよ痛くなってきて、痰がでる。しんどい。

あまり眠れないまま関空に到着。
検疫を通る時に、「咳、痰のある方は申し出てください。」とアナウンスがくりかえされている。
ああ、私だ、申し出なければと思い、まじめに係員に痰があることを申告。
そして検疫を受けることに。
検疫を受けるのは、ミャンマーとラオスの帰りもあったので、これで3回目。
尻の穴から入れてとる検便と体温測定、微熱がある。
チェック項目に、「動物にふれたか、2m以内に近づいたか」等とある。
リスやキジ、犬や猫等が2m以内に近づき、子猫にはエサを恐喝され、犬に至っては服の上から甘噛みもされている。
チェックしたものを見て、Drは血相をかえて、「甘噛みされていませんか?」と。
服の上からされたけれど、歯も当たったのかよく分からない位だったし、うろおぼえだ。
「狂犬病、分かってますね?もし発症したら、100%死にますよ。」と。
一応大丈夫だろう、ということだが、もしものために破傷風や狂犬病、ジカ熱、マラリヤ、デング熱の説明書をもらった。

関空からのバスが、機内で一緒だった夫婦とまた一緒。
色々旅の余韻にも浸りたいが、喉が痛いのと、眠いのと、日本でいつも使っているsimが機能しないのと、狂犬病がこわいのとで、頭がいっぱい。
simは、地元のスマホ屋へ持って行き、使えるようにしてもらった。

その後、夜から仕事なので、それまで床の上で爆睡。

翌朝、まだ狂犬病のことが頭から離れない。
あれは歯があたっていたのか、本当に歯は貫通しなかったのか。
もしそのあたった歯に唾液がついていて、脚の小さな傷や炎症をおこしている毛穴から、狂犬病の菌が入っていたらどうしよう。
気になって気になって仕方がないので、検疫に電話して、服の上から歯があたっていた気がするけど、大丈夫か確認。
それくらいなら全く心配はなく、予防接種の必要もないとのこと。
予防接種が必要なのは、直接肌をなめられた、甘噛みされた以上のことがあった場合。
これでかなり安心できる。
だがその後、一般的な潜伏期間の6か月が来るまでは、ほんの少しの不安がよぎり、6か月を迎えると、ああ今日で6か月だ、と気がはりつめていたのに気づく。
そして1年以上たっても、甘噛みされた右太ももが痛むと、その時のことを思い出し、まさかね、ちがうよね、と一瞬うろたえるのであった。

ちなみに狂犬病は、全ての動物に注意が必要。
子猫の件も、実は危なかったのだ。
万が一、かまれる、肌を直接なめられることがあった場合、発症前にワクチンを打てば助かる。
でも脳にウイルスが到達し、一度発症すれば、喉の痛みで水が飲めなくなり、不安と恐怖の中、3日目に確実に死に至る。
日本ではワクチンのおかげで、狂犬病は絶滅したと言われているが、
もし心配な場合は、噛んだ動物が10日間生きているか観察すれば良い。もしそれ以上元気に生きていれば、狂犬病のウイルスはもっていない。
元気がなくなったり、凶暴になったり、死んでしまった場合は、ただちにワクチンをうつべし。

 

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