ぽちゃ婚

マレーシア3日目 ~ペルヘンティアン島でシュノーケリング三昧~

朝日が人もまばらなビーチをふんわりと照らす、大自然の中でむかえる朝。
夜中何度か目が覚め、あまり眠れなかった。ここ数日も寝不足だった。どうしても旅先では熟睡できない。自分でそうしておいたのだが、あんなシャカシャカツルツルの寝床だから余計に。そして旅の疲れも出始めた。
さわやかな朝の景色とは対照的に、私の心は曇り空だった。帰りたい・・・。
そんな衝動にかられて、AirAsiaのサイトから、帰りの便の予約変更をしようとしたが、なかなか表示できない。
だからちょっと手数料はかかるけれど、電話で変更しようとし、日本語オペレーターにつながり、変更OKと分かり、いざ氏名や連絡先を!という時に、なぞのマレー語と共に電話は切れた。
その後かけなおしても、同じ音声が流れる。たぶん、通話の上限に達してしまったのだ。あーあ。
その後もサイトからトライしようと思ったが、電気は6時か7時位までしか使えないので、スマホを充電する機会は夜までない。
スウェーデンさんもやってきたし、一旦あきらめることにした。

スウェーデンさんと朝食。
紅茶がすごくおいしい。地元でとれた紅茶だそう。スウェーデンさんも絶賛。
今日ツアーだねー。このシムカード、電話できる時間すごい短い等と話し、2m位あるオオトカゲがのそのそ歩く姿を一緒に見る。
ふと、こんな風に旦那さんと老後を過ごすのも良いなあ、日本に帰ったら結婚相手を探そうかなあ、等と思う。
ス「いつまで島にいるの?」 私「たぶん、明後日位には、クアラルンプールに行こうかな。でもどうやっていこう。」
ス「ロングビーチのショップでKLへのバスのチケット売ってる。今日のツアーの時に買うつもり。君も買う?」 私「じゃあそうする。」
知り合いが出来るのは、ありがたく、うれしいものだ。今日は同じツアーで一緒に過ごせるので、なんだか安心する。

部屋に帰って水着に着替える。
もちろん昨日と同じ、白のラッシュパーカー、足首まである黒のラッシュトレンカの上に黒の短パン、透明のマリンシューズ。
青い防水ウエストポーチも装備。中には日焼け止め、タオル、虫よけ、常備薬。
ぶっちゃけダサイ、機能性重視。
そういや日本を出る前に、知人男性に「そんな格好なら行く意味ない!時間の無駄!ビキニきて、そんでアバンチュール。」と言われた。ほっとけ。
お金やクレジットカードは、ジッパー付きのビニールに入れて、さらに防水貴重品袋に入れ、腰につけてトレンカの中にしまう。
水着の短パンのポケットにホックを縫い付けたので、買い物やランチ用のお金は、小さいジッパー付きのビニール袋に入れて、そこへ。そもそもマレーシアのお札は、プラスチックのような素材で、濡れないのだけど。
部屋に残すいくつかの貴重品は、バックパックに入れ、ファスナーに鍵をかけ、バックパックはワイヤーロックで家具につなぐ。
それでも盗まれたら、その時はその時。これは、万が一強盗にあった時を考えた、リスクの分散なのだ。

同じ宿に泊まっている、同じツアーに参加する人達がなかなか出てこないので、
宿のスタッフ、スウェーデンさん達と宿の庭でサッカーをする。ボールを溝の中に入れてしまい、なかなか取り出せなくなった。
長い棒を使ったり、溝に水を流したりしてようやくとれた。

約束の10時半にビーチの店に集合しても、シュノーケリングツアーの参加者の集まりは悪く、30分位待つ。
ロングビーチの真ん中あたりにあり、アマという名前の赤ちゃんがいる売店の前。ちなみにアマの発音はマで上がる。
その間に水を買ったり、道具を選んだり、日焼け止めを塗り直したり。
日焼け止めをしつこく塗っていたら、スタッフに「何それ?」と聞かれ、ちょっとあきれられたような感じ。
太陽に慣れている人達とはちがうんだよ。シミにもシワにもホクロにも、老け顔にも、下手したら火傷にもなるんだから。

ようやく全員そろったようで、出発。
ボートに乗ってポイントを目指す。
メンバーは、アフリカのナイジェリアからきた若い女の子2人(以降ナイジェリアガールズ)・同じ宿のドミトリーに泊まっている、ランカウイ島出身で、普段はKL空港で働いている男性2人(以降ランカウイズ)・ スウェーデンさん・マレー人の女の子2人。イスラム教徒のようで、ちゃんと脚と腕、頭を隠している。

最初のポイントは、タートルポイント。
着くと人がたくさんいた。船頭さんによると、カメがいるよう。
海に飛び込むと、真水のような透明度の高い、浸水3~5m位の砂底の海の底で、1m位の海亀が海藻を食べていた。
海亀、水族館以外で見るのはじめて。すぐに見られるとは思わなかった。
それにしても、なんて透明な海。ちょっと素潜りの練習もしちゃおうかな。
ライフジャケットを脱ぎ、腰から直角に体を折り、頭を下に向け、足を空中に放り出す。
すると頭の重みで、どんどん下に沈み、空中に出ていた足先も沈む。小魚が逆さまに見える。
自分の身長よりもう少し潜ったところで、戻れなくなったらどうしようと急に不安になり、頭をくるっと上に向け、浮上した。
頭を下にすれば潜り、上にすれば浮かぶというのは本当だった。(※初心者は、くれぐれも人気のないところで試さないように。)
再びライフジャケットを着て、時々浮上してくる海亀と一緒に泳いでいたら、どこに誰がいるのか、どれが自分のボートか分からなくなってしまった。
その辺のボートを1つ1つのぞきこんで、メンバーを確認していく。
「私のボートはどこですか?」
なぜ知っているのかは謎だけど、「あっちだよ」と教えてもらい、ようやく見つけることができた。
だが、クロールしても、バタフライしても、潮に流されて、なかなかたどりつけない。ボートでは皆待っている。
ようやくたどりつき、やれやれ。スウェーデンさんが、ライフジャケットをタイトにしてないから、ジャケットが流されて泳ぎにくいんだと教えてくれた。なるほど、通りで進まないわけだ。

次はシャークポイントへ。
水面からじゃ分からなかったけど、海に顔をつけると、透明度が高いので、巨大な珊瑚がはっきり見えて、まるで大きな水槽の中を泳いでいるよう。
ここはブラックチップシャーク等の、危なくない鮫が多いポイントで、皆鮫を探すのに必死。
私は鮫よりも、珊瑚が竜宮城のお城に見えて、実に美しく、そちらに夢中。
水深2、30m位だろうか、深場に目をやると、大きな鮫が泳いでいた。たまたま隣にいた人と喜んだ。
そうこうしてるうちに、ふと顔をあげると、また自分のボートがどれか分からなくなっていた。
メンバーもどこを泳いでいるのか分からない。
私は、白いパーカーを被った頭を出したまま、近くのボートまで平泳していく。
ボートにいた、他のツアーの人達が、なんか来た・・・といった感じで半笑い。
私「自分のボート見失っちゃった。」 ボートの人「あれだよ、黄色くて、水色のラインの。覚えてね。」 だから何故私よりくわしい?
ボートの人「乗って。つれて行ってあげる。」 私「ありがとう。」
すぐ隣に別のボートがやってきた。そして完璧な日本語をしゃべるおじさんが、「日本人ですか?」と。
「日本人ですか?」と聞き返すと、「マレーシア人です」。 ものすごく完璧な日本語のマレーシア人だった。
無事に自分のボートまで送ってもらい、次のポイントへ向かう途中、ナイジェリアガールAが、「サメ見た?」と皆にききまくっている。彼女は見ることができなかったらしく、すごく悔しがっていた。

そろそろトイレに行きたくて、膀胱がパンパンなのだが、次は小魚がキュートな、フィッシュポイント。
海中でしないのかって?確かに元々人間は自然。だから人間から出るものも自然に返して然り。しかし、水圧かなんかで出ないのだ。
フィッシュポイントは、ブサール島のツナベイアイランドリゾートの近くにある。
色とりどりの小魚が集まっている。餌付けしているようで、泳いでいたらボートの上から餌がふってきた。
小魚を指で追いかける等して、しばし遊ぶ。
今度はボートやメンバーを見失わないようにと、時々顔をあげて立ち泳ぎ。しばらく顔をつけていなかったら、小魚が油断して、私のまわりに集まっていた。

今度はランチ。その前にトイレ!
あ、女子しか行ってない。それ以外は、やはり自然に返していたのか。

ランチは島で唯一の村にある食堂で。
ランカウイズとスウェーデンさんと相席。
ベジタブルフライドライスとテタレというマレーシアの紅茶をオーダー。テタレはコンデンスミルク入りの紅茶でおいしい。
ランカウイズによると、タイのピピ島等はビーチの景観は良いけれど、海中はもひとつとのこと。私もそう思う。
透明度も魚の種類も、断然こっちの方が上。ピピ島は珊瑚も地味だし、ほとんどオヤビッチャとウニばかりだった。
それと、タイのプーケットやピピ島は、前に行った時の年齢もあるのかもしれないが、チャラ男が多かった。角を曲がる度に、「キミ、カワウィーネ!ボク、チャラメガネ♪」なノリで、藤森慎吾のようなサングラスをかけたタイ人から声がかかったものだ。
30を過ぎてから行ったのは、控えめなスリランカと、台湾と敬虔なムスリムの多いマレーシア。歳のせいか風土のせいか、タイよりはるかにチャラくない。

ランチを食べ終わり、会計も済ませたので、船頭さんに連れられて、ランカウイズとスウェーデンさんと散歩。
浜辺の東屋で、フライドタロイモ?とフライドバナナがあり、味見させてもらう。辛いソースをつけて、なかなかおいしい。
他のメンバーも集まりだしたが、ナイジェリアガールズは食べるのがゆっくりなようで、なかなか来ない。

ようやく全員そろったので、次のポイントへ向かう。
ボートは左右に舵をきり、波しぶきが虹を作る。
ナイジェリアガールAはビデオを撮り始め、こちらに向けたので、手を振っておいた。
そして 着いた所は、 どこだか分からないけど、赤や紫の珊瑚の形が独特で、これまたえらい造形美である。海中彫刻展?竜宮城?
「ずーっとまっすぐ泳いでビーチまでね」と言う船頭さん。
海中を見ながらビーチへ向かう。
ビーチの木陰でしばしまったり。あんまり泳いでいると疲れ切ってしまうので。
スウェーデンさんは、ここで大きなクラウンフィッシュ=冠ブダイ?を見たとのこと。
どこかの宿があるビーチから陸続きなのか、人が結構いる。たまたま隣に日本人女性とお子さんも。
浅瀬で小魚や波と戯れる等したら、もう帰る頃。

ロングビーチへ戻り、明日のラワ島ツアーを予約した。
そして売店でクアラルンプール行きのバスも予約。出発は明後日。この売店は、アマという赤ちゃんのいる店。
今日と明日のツアーは、この売店前のテントでやっている。
宿に戻ろうとした時、東洋人の男性から話しかけられた。隣には小学生くらいの男の子。
私が日本人だと分かると、自分達も日本人だと明かした。家族で来て、宿はブサール島らしい。ブサール島の方が海は素敵だが、店はクチル島の方が多いらしい。
子どものうちから、こんなきれいな所に来られて良いなあ、と思う。
お父さんは、10年も前から何度か来ているとのことで、昔はもっと美しかったのだそう。
「でも、女性でここに来てるなんて」と、感心された。私はよく分からず首をかしげた。「だって、設備もあんまりきれいじゃないし。」
確かに、でかいクモは出るわ、扇風機は埃だらけだわ。
「もしここが気に入ったんなら、カンボジアのロン島に行くと良いよ。」とおすすめされた。今は時期的にも良いし、KLからもそっち方面の飛行機があるそう。
別れを告げた後も、追いかけてきて、「ロン島がいいよ!ロン島に行けるよ!!」と、強く強くすすめておられた。
船頭さん「あの人は、知り合いなのかい?」 私「ううん、ファーストタイム。」

宿に戻り、シャワーをあびながら水着を洗濯。本来水シャワーだけど、高い気温で温められて、日中はお湯が出る。
ベランダに洗濯物を干していると、お隣さんが、私の分の椅子も使ってたようで、「ソーリー」と返してくれた。
お隣さんは、いつの間にか中国人ではなく、マレーの女の子達にかわっていた。よかった、いかつい男2人とかじゃなくて。
ここのベランダも、結構良い風が吹くので、しばしまったり。家族にメールで無事と海の感動を報告した。
あと、さっきのお父さんから聞いたロン島が気になったので、予定変更でカンボジアもありかもと、スマホで調べてみたら、
ここへ来る時よりもはるかに揺れるボートで40分、ビーチにはサンドフライという人の生き血を吸うハエがいるとのこと。
嫌だ、吸血バエ恐いよ~。南京虫さえ恐れているのに。
私はロン島行きをあきらめた。


部屋の前のベランダより。洗濯物がよく乾く。

夜、宿のレストランへ行き、スタッフの休憩時間が終わるまでオーダーするのを座って待つ。
隣のテーブルには、東南アジア系の若い男の子が座っていた。
少したってから、その子から話しかけてきた。今日、海亀のところで私を見かけたらしい。なにせあの格好なので恥ずかしい。いや、ピチピチのビキニとどちらが恥ずかしいだろうか。やはり大和撫子な私としてはビキニだろう。
彼はKLの大学生で、同じ大学の友達と旅行に来ていて、友達はコーラルベイに夕食へ、疲れたので自分だけ宿に残っているとのこと。
明日はその友達と一緒に、朝早くから、ペナン島を目指して車を運転するのだそう。ペナン島は食べ物がおいしいので、海ではなく、グルメのために行く所とか。
KLあたりで食べ物がおいしいのは、アンパンタウンのヨンタンのチキンライス。
実家がマラッカなので、マラッカのことも色々教えてくれた。おすすめはポルトガル村の「HOTEL PURI」。あと、アッサムペダスも食べとくと良いらしい。
つーか、この席、さっきからずっと、ライトに虫がよってきて、ぱらぱらテーブルに落ちてる。オーダーした焼きそばにはギリギリ入ってないけど。いくら自然豊かでも、こんな野生味はいらんっちゅーねん。もう、あっちのテーブルに移ろう。
気をとりなおして、彼は追加のドリンクを注文し、話す。
マレーシアは暑いので、日本に行って雪を見たいと。私「本当?寒いよ?」
「それがいーんだよ!マレーシアは暑いから。大阪がいいかなぁ?雪あるかな?」
私「大阪は、雪無いな。」
そうこうしてるうちに、彼の友達2人も合流。金髪のアメリカ人の男の子と女の子。3人とも20代、若いなぁ。
マレーシアに2週間、しかも半島だけは、長すぎるとのこと。今はシーズンではないけど、ボルネオのサパはすごく良いところらしい。
キャメロンハイランドも良いところだけど、1日で飽きるとか。
私はアメリカの「i herb」というサイトで、化粧品等の個人輸入をよくしているので、「i herb 知ってる?i love i herb」
アメリカ男子「i herbって何?」 アメリカ女子「コスメのインターネットショップよ。」
そんなこんなで夜も更けていき、私は明日のラワ島に備えて、休むことにする。

食事のお金を払う時は、自己申告。昼に行ったレストランもそんな感じだった。
スタッフが火のついた蚊取り線香をくれた。外かバスルームに置けば良いらしい。
それと新しいバスタオルをかりて、部屋に戻る。

蚊取り線香をバスルームの床にセット・・・、カタっ。あ、床の水で火消えた(T-T)
相変わらず、埃だらけの扇風機と、ツルツルシャカシャカの寝床である。
まあまあきれいな山小屋だと思えば大丈夫。
(※シャカシャカにしたのは、この私で、決してモーシンシャレーとは関係ありません。)

22時頃、大音量の音楽が聞こえる。ファイヤーショーがはじまったよう。私は今夜は参加しないけど、うるさくて眠れない。
ロングビーチは、夜遊びするための所で、私のような早寝早起きが来るところではなかった。
大音量は、夜中まで続く。

 

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